(更新)2/9(土) 2012年度 年会開催されました。

日本ガラス工業センター日本ガラス工芸学会 2012年度 年会が開催されました。

 2/19写真追記

寒冷の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。日頃は大変お世話になっております。

日本ガラス工芸学会では、2013年2月9日(土)に恒例の年会を開催いたしました。

 

日時:2013年2月9日(土)
開場 13:00
発表時間 13:30~17:00 (質疑応答、休憩含む)
場所:日本硝子製品工業会 地下会議室
〒169-0073 東京都新宿区百人町3-21-16 日本ガラス工業センター
最寄駅 JR新大久保 徒歩5分

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発表者と要旨

小寺智津子
「魏晋南北朝のガラス器にみる中国社会の様相と東西交流(仮題)」13:30~
魏晋南北朝時代は、それまでの漢代のガラス製品の様相から大きく変化し、多数の西方製のガラス器がもたらされる。ガラス器の搬入という社会現象の背景には、魏晋南北朝社会のどのような側面が反映されているのかを考察する。またこれまで一括して語られることが多かった魏晋南北朝のガラス器について、中国内の出土地域に見られるガラス器の特徴の違いを明らかにし、魏晋南北朝の社会分析と併せて、その搬入ルートについて考察を行う。

小寺智津子 「魏晋南北朝のガラス器にみる中国社会の様相と東西交流(仮題)」小寺智津子 「魏晋南北朝のガラス器にみる中国社会の様相と東西交流(仮題)」

中村彩奈
「古代西アジアにおける黄色ガラス・ファイアンスの組成変遷と製法の解明」14:40~
“ネイプルイエロー”とも呼ばれる人工黄色顔料のアンチモン酸鉛 Pb2Sb2O7 は、ルネッサンスの絵画顔料として利用されていたことが知られている。しかしアンチモン酸鉛そのものは、顔料として利用されるよりはるか以前の紀元前16世紀頃からエジプトや西アジア地域でガラスやファイアンスの黄色着色剤に使用されていた。本研究では可搬型の装置を遺跡や美術館に持ち込み、化学分析による古代黄色製品の特性化を行うことでその組成的変遷を追うと共に、合成黄色ガラス・顔料の再現実験と最先端の分析技術を用いて、古代黄色ガラス製法の謎に迫る。

中村彩奈 「古代西アジアにおける黄色ガラス・ファイアンスの組成変遷と製法の解明」中村彩奈 「古代西アジアにおける黄色ガラス・ファイアンスの組成変遷と製法の解明」

中井 泉・井上曉子
「国宝法華堂本尊宝冠のガラスの科学調査」15:50~
東大寺法華堂本尊不空羂索観音の宝冠は、ガラス玉を主体に1万数千個の宝玉類で装飾された奈良時代のガラス工芸品の最高傑作とされる貴重な遺品である。修理に伴い東大寺ミュージアムに保管されているこの宝冠を、昨年から今年にかけて、東京理科大学と井上曉子との共同研究として、ポータブル蛍光X線分析装置等で化学組成分析および観察を行う機会に恵まれた。奈良時代に製作されたと考えられるガラス玉以外にも、より古い時代に日本にもたらされたのと同じタイプのガラス玉が含まれていることが判明するなど、たいへん興味深い結果が得られた調査について紹介したい。

中井 泉・井上曉子 「国宝法
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