日本ガラス工芸学会会員の黒川高明様が、この度「ガラスの文明史」を上梓されます。
元東芝硝子の社長を勤められ、欧州中世のガラス史の研究家・黒川高明氏が
新著「ガラスの文明史」を、2/5(木)春風社より上梓されます。定価5000円。
ガラスの文明史
著者:黒川 高明 |
著者プロフィール
黒川高明
1930年東京生まれ。1954年東京大学工学部機械工学科卒業。同年東芝入社。以後ガラス製造技術、新製品の開発、製造、営業、海外事業等を担当。1990年東芝硝子社長就任。退任後欧州中世のガラス史の研究に専心。日本ガラス工芸学会理事。著書『ヴァルトグラス』(2000)、『ガラスの技術史』(2005)等。
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ガラスは今から約5000 年前人類が初めてつくった物質で、その優れた性質から現在までたえることなくつくり続けられてきた。古代のガラス職人は現代のような技術もなしに、人をひきつける魅力的なガラスをつくっていた。
ガラスの5000 年におよぶ長い歴史の中には、その時代の文明とともに非常に盛えた時期と、停滞した時期が何回か繰り返された。
盛えた時期とそのガラスは、エジプト18王朝時代のコアガラス、ローマ帝国時代のローマンガラス、イスラム帝国時代のイスラムガラス、ヴェネツィア共和国最盛期のヴェネツィアンガラス、近世ヨーロッパの近代ガラスである。
これらのガラス組成は、使用した原料の違いから、つくられた場所や年代により変わったが、大部分のガラスはソーダ石灰ガラスである。しかし中世の北西ヨーロッパで内陸地の植物灰を原料としてつくられたガラスは、他に例のないヴァルトグラスと呼ばれる高ライムのカリ石灰ガラスである。
本書は前半に最も栄えたヴェネツィアンガラスに至るまでのガラスの歴史について、それぞれの時代の文化と併せ製造・技術の観点から記した。また各時代のガラス組成を記し、その面からの特徴についても触れた。さらに歴史的な背景を分かりやすくするため、それぞれ小史という形でまとめた。
後半に1000 年の長きにわたってつくられたヴァルトグラスについて、その背景、特徴、製品、つくった職人等を述べ、森林との関係について明らかにした。
最後に近代化した19、20 世紀のガラス工業発展の経過と今後の展望を記した。
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